四万十川ウルトラマラソン、それは 100km を走るという通常のマラソンの倍以上走るという、一般の人にはわからないレース、それに今回はチャレンジしたというお話の後編となります。

レースは午前5時半スタートのため、前日の10時頃には寝て、2時半ぐらいに起きて朝食を食べ、移動をしてレースに臨む、という正直朝から大変やん!というレースです。会場に4時過ぎぐらいには到着するわけですが、それでも人は多数です。

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なぜか計測タグが2つ付いていて、予備なの?とか思っていたのですが一緒に出ている知人に聞くと「2つとも着けるんだよ」と言われます。え?そうなの?と思って会場に行ってからみんなの靴をみると、やはり2つつけています。そうなんだ、、、知らなかった。

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レース 30 分ぐらい前、トイレに行ったり水分の補給をしたり、ということで体育館から外に出ます。体育館の中もすごかったのですが、運動場も人がどんどん来て、盛り上がってまいりました。

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そしてスタート地点に全員移動するように、というアナウンスが流れます。なお、1,650名の枠のため通常のマラソン大会よりはこじんまりしている感じではありますが、それでも人数は多いです!どうなってるの!!100kmのレースですよ皆さん!!!

朝の6時前だというのに、スタート地点の前で太鼓で応援です。いやー、もうおもてなしがすごくて感動します。

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そしてスタート地点に並びます。私はどう考えても遅いので、後ろのほうからスタートをする形にします。そして、よーいどん、5 時 30 分にレースはスタート、私は 2 分ほどしてゲートを超えることができました。これから 14 時間の制限時間(長いようで途中の関門も多数あります)のうちに 100km を走り切る必要があります。24時間のあのマラソンよりも過酷なわけです。

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スタートすると、午前 5 時半、ということで真っ暗です。右側に歩道があり、路側帯なども設定されていますが、なんと最初の 2km ちょっと先までキャンドルロードというのでしょうか、蝋燭がずっと並んでいてすごく綺麗な形です。これ、準備するの大変だと思います。

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キャンドルが切れたあとは、街灯のない道を走るのですが、地元の方が車を出して、ハイビームで道路を照らしてくれます。本当にこの時に感動しました。

さてこの日の天気予報は午後から雨、となっていたこともあり午前中はもくもくと走って距離を稼ぎたい、と思っていました。そう、思っていたのですができませんでした。写真ではわかりづらいと思いますが、15km から 21km までずっと登りです。それも多少タフな登りです。

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一緒に走る知人からは「20kmまで大変ですよ」と言われていたので覚悟はしていました。そして、その 20km を通過します。

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結局、登りは 21km ぐらいまで続き、そこでボランティアの方が「ここで登りは終わり、あとは下りだよ!」と言ってくれます。私の得意なくだりでは、5:30 min/km ぐらいまで速度を上げて下っていきました。くだりも 5km ぐらい続いて、そのあとは平たんな道ながらも、自然を楽しみながら走り、、、、という余裕もなく、「もうハーフマラソン終わったんだけど、全然終わってない」という気持ちの中走り続けます。

まだ下り気味の道のまま、30km を無事クリア。

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38km 手前は応援バスによる応援エリア。応援の言葉を貰って、「次は 62km で会いましょう!」と言いつつ、そこまでハーフマラソンよりも長い距離走るのか、、、と思いながら、もうなんか距離感がわからなくなりつつ走り続けます。

40km の手前で一度パラパラと雨が降ったものの、すぐに止んだのでこの段階では「ちょっと水にぬれて体が冷えたので走りやすくなった」でした。このあと、衝撃の看板を見ることを気にせず、40km を通過します。

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そう、衝撃の看板。

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理解していましたよ、途中でフルマラソンを超えることは。ただ、その現実をまざまざと見せつける、この 42.195km の看板。この看板はこう語ります。

  • フルマラソン終わったよ
  • 残りはフルマラソンよりも長いよ
  • まだ、折り返してないよ

心が折れそうに少しなりましたが、出来ることはただ一つ。走ることです。走ることに一途になるしかありません。幸い、足腰は痛くもない、大丈夫走れる!ということでもう少し走ります。

そしてやってきた次のマイルストーンとなる看板、50km 、ちょうど半分!

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ここに居たボランティアのおじさん「ほら、半分終わったから!あと同じ距離走ればゴールだよ!!」って、あと 50km もある、フルマラソンよりも長い、、、いや、もう残り距離を計算することは忘れて、できることは走ることだけだと思って走り続けます。

続いて、この四万十川ウルトラマラソンで唯一のランナーがすれ違うポイント、沈下橋にたどり着きます。ついつい、ここでは記念写真を撮りまくりました。

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このあと、また新たな壁が現れました。そう、このマラソンは 14 時間が制限時間なのですが、14時間サポートランナーの方が後ろから追いついてきました。えぇぇ、どういうこと?!まだもう少し余裕あると思って走ってたのに!!

サポートランナーの方に話しかけてみることにします。実はこの後、ペースを落として走るそうです(そら、ずっと同じペースは難しいよな、、、50km を超えたところで)。そして、そのペースを教えていただき、それよりも前を走ればいい、のが私の中での結論。とはいえ、話をしていた時は登り坂で、「この登りは歩きます~」と言っていたので、便乗しながらペースのアドバイスをいただきました。登り切ったところで「ありがとうございます、頑張ります」と言い残して、頂いたペースよりも少し早めに、走っていきます。

やっと 60km の看板を見ます。残りはフルマラソンよりも短い!と思った瞬間、なんだこの狂った感覚は!と思いながらも、できることはただ一つ。右足と左足を交互に出して前に進むしかないのです。なお、このころ改めて雨がパラパラと降っていました。

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62km のあたりでエイドステーションがあり、そこには事前に送っている着替えや補給食を食べることができます。先ほど貰ったアドバイスでは、ここで 15 分の休憩を設定している、ということだったので、私は最低限の補給をし、着替えはもう雨ですぐ濡れるので諦めてすぐにリスタート。なお、このころは靴の中では豆ができて、つぶれて、一度靴を脱ぐともう履けそうにないと思っていたので、そのまま行くという英断をしました。

そして確実に降る雨の中、80km を超えます。残りハーフマラソンよりも短いよーと応援の人は言ってますが、単位がおかしいです!

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さて、この後はもう写真がありません。なぜなら、90km を超えるときには暗くなっていて写真を撮ろうにもどこに看板があるのかわからない状況でした。暗い中走り続けます。

実はここまで走っていた時に、多くのリタイアの人を見ました。足が動かなくなって回収車に乗っている人、回収車が後ろから来るのを見て、手を挙げて止まってその段階でリタイアする人。その姿を見て、私もやめたらもう楽なんだろうなぁ、、、という思いがあったのは正直なところです。でも、それ以上に「ここまで走って、まだ走れるのにやめると絶対後悔する」「もう一度この距離を走れと言われても、走れるかわからない、いや走りたくない」という思いを胸に、走り続けました。

「もう足が動かなくなった、だからリタイアした」

「肉離れ、足のけが、なんでもいい、今頑張って走って、何か起こったらそれはそれでリタイアの言い訳になるからいいじゃないか」

そんなやけくその気持ちで走り続けます。

90km 手前で、Garmin のバッテリーが切れて、もう残りの距離がどれくらいかも確認ができなくなりました。軽い登りを走っているかもしれな状況でも、真っ暗な道を、たまにボランティアの方が照らす車のライトを頼りにして走っていきます。

もう走ることしかできない。

すると突然前に登り坂が出てきます。今どこかわからないので横を走っている人に「残り何キロでしょうか?今何時でしょうか?」と聞きました。

「この登りは残り 1km のところで、残り 25分あるので全部歩いてもゴールできますよ!!」

と回答を貰います。えぇ、いつのまに 99km も走っていたのだろう私は、、、

ここまで来たら最後は走りたい、ということで登りだけ歩いて、そのあとの下りは最後の力を振り絞って走り続けます。歩いている人がほとんどの中、最後走りたかったのです。毎年出ている知人からは「最後の 1km はすごい応援だよ!」と聞いていましたが、雨なので応援は控えめです。でも、ラスト 500m ぐらいになると応援が増えてきます。そしてみんな、

「おかえり!」

「お疲れさま、もうすぐですよ!」

「最後、楽しんでください!」

なんて声をかけてくれるんです。私は一人一人に「応援ありがとうございます!」「疲れましたが、もう少し走ります!」「ただいま帰りました、朝から長かった(笑」みたいな感じで、回答をしながらゴールをします。

ゴールするとずっと応援してくれた人、そしてこのレースに出るきっかけとなった知人も迎えてくれて、あぁ、やっと終わったんだーと改めて感じることができました。

終わった、100km のレースが終わった。

13時間45分のタイム、正直タイムとしてはそれほど早くありません。でも、私はどんなレースも、なんとかゴールするのが得意なのです。これを 100km のウルトラマラソンでも達成できました。

ということで、エピローグ編に続く、、、

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